【初心者必見】 バイクエンジンオイルの選び方 最新の安価で高性能なおすすめオイル

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いろいろ種類があって選ぶのが大変なイメージのあるエンジンオイルですが、ポイントをおさえておくだけで迷いなく選べるようになります。

値段と性能どちらも最高のオイルもご紹介します。

 

選び方のポイントは、粘度(オイルの固さ)と規格です。

 

2ストと4ストのオイルは全く別物

その前にバイクのエンジンは大きく分けて2種類あります。

2ストと4ストです。

それぞれオイルの種類が全く別物で

 

2ストとは、2ストローク・サイクル・エンジンの略でエンジンが空気とガソリンを吸って爆発させるのにピストンが上がって下がるだけの2回のストロークで完了する機構ものです。

4ストとは、4ストローク・サイクル・エンジンの略で同様の爆発をさせるのに、上がって下がって上がって下がってと4回ストロークする機構です。

 

現在主流の車やバイクは4ストです。

そしてオイルに関して一番大事なポイントは2ストと4ストでは使用するオイルが全く違うということです。

2ストには2スト専用、4ストには4スト専用のオイルを必ず選びます。

 

この記事では4ストのオイルの選び方を紹介しています。

 

バイクのオイル選びに欠かせないJASO規格

JASO規格とは、日本自動車規格が定めているエンジンオイルの規格です。

特にバイクのエンジンオイル選びで重要になります。

文字だけ見ると難しそうですが選び方は簡単です。

オイル缶にMAMBとマークが書いてあるので合う方を選ぶだけです。

選び方を詳しく見ていきましょう。

このマークは摩擦特性を表しています。

摩擦特性とは、滑りやすさの指標です。

通常、エンジンは摩擦が少ないほどなめらかに動くので摩擦特性は低いほどピストンなどに優しいです。

ただし、困ったことに一般的なバイクはクラッチもエンジンオイルに浸かっているのです。

 

クラッチはエンジンの動力をタイヤに伝えるために、繋がったり離したりしなければなりません。

なのにオイルに浸かっているので普通ならクラッチまで滑らせてしまいます。

 

クラッチまでなめらかにしてしまってはクラッチが仕事をできません。

そこで、バイク用のエンジンオイルはクラッチが滑らない程度の摩擦を保持できるように添加剤で調整しているのです。

どの程度の滑りにくさ保持しているかを先ほどのMAやMBといった指標で表しています。

 

上の図でいうと左の赤い方、つまりMA2が最も摩擦特性が高く、右側のMBは摩擦特性が低くなります。

大型バイクなどクラッチに高負荷がかかるものはMA2がベストです。

 

MAは、より摩擦特性の高いMA2と少し低めのMA1に分かれています。

メーカーによってはMAとだけ書かれてる場合もありますが、その場合はMA1を指しています。

 

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チャトラ

エンジンは潤滑させたいけどクラッチは潤滑させたくない・・・
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ミケ

そのバランスをバイク用にしっかりと調整してますよってのがJASO規格なんだね
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チャトラ

じゃあバイクには全部MA2を選べばいいってことね
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ミケ

半分正解だけどそれだとちょっともったいないんよ
MA2 MA1 MB
大型バイク ×
中・小型バイク ×
スクーター

MA2は全てのバイクに使えるのでチャトラも間違っていません。

ですがMA2は基本的に割高なオイルになるので適材適所で選びたいところです。

 

MBは表のとおりスクーター以外使えないと思って問題ありません。

こう見るとMBは残念なオイルに見えますが悪いことばかりではありません

原則、クラッチを潤滑する必要がないスクーターにしか使えませんが、その分摩擦特性が低いため燃費がいいです。

MAではクラッチが滑らないようにわざわざ摩擦特性を上げて滑りを悪くする必要がありましたが、スクーターはその必要がないため、エンジンオイル本来の仕事であるピストンの潤滑に専念できるのです。

それと同時に摩擦特性を上げるための添加剤を入れなくていいのでその分安くできます。

 

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チャトラ

経済性重視のスクーターにとっては最高の性能なのね

同様に、中型バイクは大型よりクラッチへの負担が少ないためMA2では少しゼイタクなので、MA1がコストを考えると理想的です。

しかしスクーターにしか使えないMBと違ってMAクラスを入れても問題はありません。

スクーターにMAクラスは使えるけどもコストが高くただもったいないだけですが、中型でもクラッチの保護を優先したいならば積極的にMA2を選ぶのも選択肢のひとつです。

グレード

API規格とは、米国石油協会(API)と他二社が合同で定めている規格です。

時代に求められたオイルの性能を規定しています。

バイクを含めたガソリン車は頭にSがつき、「SA」や「SB」という形で表記され、二文字目のアルファベットがAから順番に後ろに行くほど高性能なオイルです。

今現在最新の規格は「SP」となっています。

規格
発効
特徴
SL
2001年7月
・省燃費性の向上(CO2の削減)
・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)
・オイル劣化防止性能の向上
SM
2004年11月
・更なる省燃費性
・触媒被毒の軽減
・高温酸化安定性
SN
2010年10月
・省燃費性能はSM規格対比0.5%以上の改善
・デポジットの発生をSM規格対比14%以上改善
・触媒に悪影響を与えるリンの蒸発を20%までに抑制
SN PLUS
2018年5月
・LSPI対応(直噴エンジンで起きるスーパーノッキング防止)
SP
2020年5月
・LSPI対応
・タイミングチェーンの摩耗低減性能向上
引用元:Wikipedia

最近の更新は環境性能の強化が主なものになります。

バイクというよりも車向けの更新ですね。

バイクのオイルはSLグレードが多いです。

ベースオイル

エンジンオイル主成分であるベースオイルは「鉱物油」「部分合成油」「全合成油」の3種類で区別されています。

聞くところによるとおおよそ7割ほどがベースオイルで残り3割が添加剤で構成されているそうです。

細かい配合率は公表していないメーカーが多いです。

鉱物油
鉱物油は昔から使われている基本的なベースオイルで、重油から潤滑成分を精製したもの
出回っているエンジンオイルの中で最も安価
部分合成油
鉱物油と全合成油を混ぜたもの コストと性能のバランスが良い
全合成油
高度な精製技術で原油から不純物を限りなく取り除いて精製した高純度オイル
最高クラスの性能があり、添加剤の性能に頼る鉱物油より優れている 手間がかかる分高価になる

全合成油 > 部分合成油 > 鉱物油

の順で性能が良いベースオイルを使っています。

全合成油は100%化学合成油と表記しているメーカーもありますがどちらも同じ意味です。

 

高価で高性能な全合成油が最近は安く作れるようになってきているので、全合成油が断然おすすめです。

特にオイルに高熱の負荷がかかりやすい大型や空冷バイクは、夏場の停車時に放熱が追いつかずオイルの限界に達してしまう可能性があります。

耐熱温度の限界を超えると、オイルはシャバシャバになってしまいます。

極端に言うと水のようになります

これではとても油膜を維持することができず金属同士が直接触れて磨耗してしまいます。

鉱物油ではその限界が低いので、特に全合成油を積極的におすすめします。

 

粘度

オイル選びで一番耳にするのが粘度(オイルの固さ)かもしれません。

10W-30のような形で表記されています。

これはアメリカ自動車技術者協会が定めた分類で、SAE規格と呼ばれています。

左側の数字は低温時の粘度を表し、数字が低いほど寒い日でもオイルがやわらかく、始動性が良くなります。

右側の数字は高温時の粘度を表し、数字が高いほど高温時でもオイルの粘度を保ち、エンジン保護性能を維持します。

WはWinter(冬)の略なので、Wがついている左側が低温の数字であるとわかりやすくなっています。

 

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チャトラ

低温粘度は小さい数字のものを選べばいいんだね
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ミケ

低温粘度についてはそれでOK 低いほど寒い中での始動性は良くなるよ
でも実は許容範囲は意外と広いんよ
低温粘度 外気温(目安)
OW -35℃
5W -30℃
10W -25℃
15W -20℃
20W -15℃

一般的なオイルは10Wが多く出回っていて安く買えます。

よほどの寒冷地でない限りは気にせず10Wを選んでおけば問題ありません。

そもそも普通そんな寒い中バイクに乗るのは難しいですね・・・。

普通じゃない方と厳冬地にお住まいの方は要注意ポイントです。

 

また、割高になりがちですが、5Wや0Wは全く無駄かといえばそうでもありません。

オイルがやわらかい分エンジンの抵抗が少なく燃費向上に一役買っています。

環境にはやさしいですが割高なことが多いのであえて選ぶメリットは薄いかもしれません。

エンジンオイルの選び方

ここまで見てきた規格を知ればあとは簡単です。

まずは自分のバイクのメーカー指定の粘度を調べます。

これは取扱説明書に記載されています。

冊子が手元になければメーカー公式サイトにも載っていますしネット上のバイク仲間たちが書いてくれていると思いますので検索してみてください。

 

自分が乗っているVTR250(2007年モデル)を例にすると

JASO規格:MA

SAE規格:「10W-30」

API分類:「SL」

と明記されています。

この指定を満たしていればどのメーカーのオイルでも使用可能です。

ちなみにメーカー推奨オイルはホンダ純正の「ウルトラ G1」です。

ホンダ純正オイルの中でもっとも安く買える部分化学合成油のオイルです。

1Lあたり1000円ぐらいで売られています。

 

実はつい最近(2021年)商品リニューアルしています。具体的には以前は鉱物油だったベースオイルが部分化学合成油になったことと、粘度指数が「10W-30」から「5W-30」になり、より寒い環境でも使えるようになりました。

10Wでも十分な性能ですがホンダがもっとも基本的なオイルを5Wまで対応させたのは興味深いです。

日本というより海外での販売を見据えてのリニューアルかなと感じました。

 

おすすめエンジンオイル

結局どれがいいんだって話ですが、今使っているおすすめのオイルはこちらです。

JASO規格:クラッチ保護性能の高い「MA2」

グレードはホンダ推奨と同等の「SL」

ベースオイルはなんと「100%化学合成油(全合成油)」

めちゃめちゃ高性能なオイルです。

 

10W-40もほぼ同じ値段で用意されているので指定粘度が合う方を選べます。

このスペックで値段が4Lで3500円ぐらいで売られています。

先ほどのホンダ純正ウルトラ G1と比較すると低温粘度が5Wな点はG1が勝ってますがそれ以外は値段も性能も断然良いです。

特にベースオイルが全合成油なのに部分合成油のウルトラG1より安く買えてしまうというなんともありがたい商品です。

 

普段の走行から高速走行、ツーリングでも余裕の性能です。

おまけに容器が金属缶ではないので処分が楽なのも助かっています。

 

仮にホンダ純正オイルで同等レベルのオイルを探すと、「ウルトラ G3 Premium」が一番近いです。

JASO規格:MA1

グレード:SL

ベースオイル:100%化学合成油(全合成油)

ご覧のようにAZベーシックオイルとほぼ同等の性能です。

こちらは今日現在amazonで1L約2200円で売られています。

1L缶または20ペール缶でしか売られていないので、普通に4L購入するとなると、約8800円もかかります!

AZベーシックオイルなら同等性能のオイルが半額以下で買えてしまいます。

 

これだけ値が張るとオイル交換をついつい先延ばしにしてしまいそうですがそれはエンジンに良くありません。

良質で安いオイルをこまめに交換してコンディションを維持するのがエンジンにも財布にも優しいです。

もう長いことこのオイルのお世話になってますが10年以上、70000万キロ以上走ってるVTR250は今も絶好調です。